遷移金属カルベン錯体を用いたフラーレンの分子変換による革新的な光電変換材料の開発

山田道夫
(東京学芸大学 教育学部自然科学系 准教授)

2015年11月14日土曜日

続・共著論文発表

共著論文発表のご報告です。

Effective derivatization and extraction of insoluble missing lanthanum metallofullerenes La@C2n (n=36–38) with iodobenzene

Y. Maeda, T. Tsuchiya, T. Kikuchi, H. Nikawa, T. Yang, X. Zhao, Z. Slanina, M. Suzuki, M. Yamada, Y. Lian, S. Nagase, X. Lu, T. Akasaka

Carbon 98, 67–73 (2016)

http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0008622315304024


金属酸化物を含有した炭素棒をアーク放電により昇華させるとフラーレンや金属原子を内包したフラーレンが生成し、煤として得られます。
一般的には有機溶媒で煤を煮込むと、可溶なフラーレン類が抽出できるのですが、
ラジカル性の高いフラーレン類(La@C72, La@C74, La@C76など)は煤と結合しており抽出されません。
本論文では、抽出溶媒としてヨードベンゼンを用いると、抽出時にラジカル性の高いフラーレン類とヨードベンゼンから発生すると思われるフェニルラジカルが結合し、
可溶性のフラーレン誘導体として高ラジカル性フラーレン類を抽出できる、という内容になっております。

Web公開されていますが、論文の年号をみると2016年になってます。
2015年はもう終わりですかね。
焦ります。

2015年11月5日木曜日

共著論文発表

電気通信大学の加固先生のグループが主として進めてこられた研究の共著論文がChemistry -A European Journal誌に掲載されました。
Very Important Paper (VIP)に選ばれ、表紙にも採用されました。

Preparation, structural determination, and characterization of electronic properties of bis-silylated and bis-germylated Lu3N@Ih-C80

M. Kako, K. Miyabe, K. Sato, M. Suzuki, N. Mizorogi, W.-W. Wang, M. Yamada, Y. Maeda, M. M. Olmstead, A. L. Balch, S. Nagase, T. Akasaka,

Chem. -Eur. J. 2015, 21, 16411–16420.
http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/chem.201502511/full

金属内包フラーレンの外側に置換基を結合させることで、フラーレン特有の電子受容性を制御することができます。炭素置換基やケイ素置換基の導入はこれまで報告されておりましたが、今回はゲルマニウム置換基の導入も達成した、というお話です。
Lu3N@Ih-C80は、一般的なフラーレンC60よりもLUMOが高いため、太陽電池に用いた場合には、より大きな開放電圧が期待されます。
Lu3N@Ih-C80は最近では市販されるようになりました。25mgで570ドルします。